「朝起きたら、今日はどういう工夫しよかなって毎日考えてるんよ」
と語るのは、約60年間続く鳥楠の3代目・津村 耕三さんだ。25年前に船尾市場に移転し、妻の順子さんと二人三脚で店を切り盛りしている。
以前は鶏を捌く工程まで行っていたが、卸会社との分業が進んだため、現在では商品の目利きやカッティング作業に集中。「新鮮で美味しく」の信念のもと丁寧に仕上げた若鳥のモモ肉や手羽先などを、100g・100円台から販売している。
海南市立黒江小学校の給食に鳥楠の鶏肉が使われているため、地域の多くの人々にとって思い出の味でもある。「ここのじゃないとね」と言って、何十年も通い続ける常連客も少なくない。
20年ほど前から町の人口は一気に減少し、かつて約40軒あった船尾市場の店舗数は今ではたったの8軒となった。しかし、耕三さんが「この町の好きなところは、変わらず“人情”があるとこやね」と言うように、時代が経っても色褪せないものが確かに存在している。
撮影
黒岩 正和
文
前田 有佳利
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